フクシゴがめざすもの。
「チーム・フクシゴ」は、
まだまだ認知度の低い社会福祉専門職について
Twitter等の媒体を利用し啓発活動を展開することで
一般市民のみなさまの福祉に対する理解を深め、
その生活をよりよいものにしていきます。
【「福祉」ってダレのもの?】
もともと「福」・「祉」ともに「しあわせ」というような意味なのですが、「福祉」・「社会福祉」などと使う場合は、「生きづらさや暮らしにくさを抱えるひとたちを支援するための、(社会の)しくみや手だて」のことを指します。「福祉」というとお年寄りの介護などがまっさきに浮かぶ方も多いかもしれません。もちろんそれも福祉の一部です。でも「福祉」がカバーする領域はもっともっと広くて、障害があるひとも暮らしやすくなるようなまちづくりも福祉の重要な役割のひとつですし、生活に困っているひとに対する経済的支援も福祉どまんなかです。
福祉というのは、ふつうに生きていたらあまり関わることのないような気がしてしまいますが、実は生まれてから死ぬまでまったく福祉と関わらないというひとはほとんどいないはずなのです。細かく上げればキリがありませんが、介護はもちろん、子育てや医療、年金など生まれてから死に至るまでの人生のあらゆる場面で誰もが誰かのお世話になったり、また誰かのお世話をしたりしています。それが家族や友人・知人の中ですべてが完結するわけはなく、住んでいるまちのあらゆるサービスやコミュニティをアレコレ組み合わせて利用しながら、生活というものは成り立っています。
食事ひとつとっても、まず食事を作るための食材を手に入れるためには、どこかで何とかして手に入れなければなりません。だいたいは商店などで金銭と引き換えにそれを入手して自ら調理したり、より多くの報酬を払って美味しく出来上がった食事そのものを買ったりするわけです。その食事や食材を調達するために生産・加工・卸売・販売…と、どれだけのひとびとの手を介しているかは想像に難くありません。たとえコメや野菜、家畜を育てて自給自足していたとしても、そのために必要な道具や技術はそのひとだけのチカラで得たわけではけっしてないはずです。
しかしたとえば、あなたがもし日々の人生を存分に謳歌している若人だとして、これから先、病気や事故などに100%遭遇せず、明日も必ず今日と同じように暮らせると誰が保証できるでしょう。いま就いている職を急に辞することになったとして、明日からの食い扶持が必ずすぐに見つかると誰が保証してくれるでしょう。もしそんなことがあなたの身に起きたとき、助けてくれるはずの家族や友人もまったく同じような境遇に見舞われていたら…。もちろん、おおくのひとはそんな不遇な環境を経験せずに暮らしていきますが、そうでないひともたくさんいるのです。そしてそれは他人事ではなく、誰の身にも起こりうることなのです。
【ぜんぶを知らなくても、『知っているひと』を知っていればいい】
そんな暮らしの困りごとに対する社会のしくみや制度、それらを最大限に利用するための知識や技術をもっているのがソーシャルワーカー(社会福祉士)をはじめとする福祉の専門家たちです。法律の専門家として人びとの権利をまもる弁護士や、医療の専門家として人びとの健康をまもる医師と同じように、福祉の専門家は生きづらさや暮らしにくさに対する支援のしくみや制度を駆使して人びとの「当たり前に生きる権利と実際の暮らし」をまもります。
税金や社会保障のしくみや運用、突っ込んで言えば社会人としてお仕事をするようになってめでたくお給料をもらったとき、その中から実際いくらくらいの額を負担させられているのか、学生の頃にはじっくりと学ぶ機会はなかなかありません。社会人になってからはじめて意識するというひとも少なくないでしょうし、必要になってから勉強するのは実はとてもエネルギーを要するものです。
しかし、福祉制度そのものについてそれほど深く知らなくても、誰に相談すればそういうことを教えてくれるかを知っているだけで、何かしらの原因で生活上の困りごとが発生したときにかなり軽減することができます。たとえば、大きな病院などには「医療ソーシャルワーカー(MSW)」という専門職がいて、暮らしに支障が出るような病気やケガをしたときに、医療保険とは別に利用できる(利用したい)福祉サービスや経済的な支援に関して相談にのってくれたり、それらを利用するための環境を整えてくれたりします。
この「チーム・フクシゴ」を通して、「実はそういう福祉の専門家が身の回りにけっこういて、アレコレと支援してくれるよ」ということをより多くのひとたちに知っていただくことで、その生活がよりよくなる一助になればと考えております。
(→ふくしばPのプロフィールはこちら)